『パラレル』
長嶋 有著
文春文庫
タイトルどおり、主人公の過ごした、あるいは過ごしているいくつかの時間が
それぞれ平行に描かれている作品。
主人公は、離婚したばかりの男性で、ゲームデザイナーだけど、会社と折合いがわるくて辞めた人。
彼「七郎」と、大学時代からの友人「津田」のことが主に描かれている。
現在、大学時代、離婚前、離婚後など…それぞれの時間が順不同にばらばらに少しづつ描かれているので、
一読しただけだとちょっと分かりづらい感あり。
そして、イマイチ、物語に馴染めなかった。
というのは、多分、感情移入できる人物がいなかったからだと思う。
客観的に読むしかできなかった。
七郎、津田、七郎の元妻、津田の友人のキャバ嬢、津田の元カノ…どれも今の私とは生き方も考え方も違いすぎる気がして…。
違う世界の話なら、まったく違う世界の話として受け止めることもできるのだけど、
自分の周りとは違うだけで、「違う世界」とまでは思えないところが、入り込めない点かもしれない。
(よくいるといえるかどうかは分からないが)男の人の気持とか、こういう生き方をしている人もいるんだということを知った一冊、といえなくもない、かな…?
« 考えたら定期外だった…池袋~自宅最寄駅 | トップページ | 大失敗 »
コメント