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『前巷説百物語』

京極夏彦著

角川文庫

巷説百物語シリーズ。

又一が御行になる前の話。

巷説シリーズはとても好きだ。

各地に伝わる妖怪や伝説が練りこまれたストーリーは

読者にとって「不思議」で終らないところがいい。

でも、この『前巷説』は又一がまだまだ若い頃の話で

御行になってからほどの活躍はまだなくて

どの仕掛けもなんとなくまだ「青い」。

最初の数話はそれでもまだ楽しいんだけど、

後になるほど、大きなコトになって

読んでいて辛い。

「寝肥」「周防大蟆」「二口女」まではまだいいんだけど

「かみなり」あたりから二回読めない…。

『巷説』シリーズの重要な鍵である話なのだが

一度読んでしまうと、もう辛くて…。

その代わり(?)『前巷説』を読み終わると、シリーズを読み直したくなる。

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