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『アンブロークンアロー』

神林長平著

早川書房

戦闘妖精雪風シリーズ『グッドラック』に続く続編。

ロンバート大佐のクーデターによって、

FAF内で特殊戦のみが孤立、苦しい戦いを続けていた。

ジャムに対抗する唯一の戦闘知性体戦闘機「雪風」とそのパイロット深井零は

時間と空間という絶対的なものがフェアリーでは必ずしもそうではなく、

しかもそれがジャムによる戦略だということに気付く。

”地球”での常識はもはや通用しないと認識した特殊戦は

クーリィ准将の指揮のもと、統制を取り戻し時空のねじれた状況を打開すべく

作戦を起こす…

…とあらすじを書いてはみたが、果たしてこれで合ってるかどうか。

とにかくこの巻は難しいというか、SFなのに哲学的だし宗教的だし。

読み終わって「面白い」と思えたのが不思議だ。(モチロン、完結してないよ)

この巻は、これまでと違って、各章ごとそれぞれの一人称で描かれてる。

クーリィ准将目線、ジャック目線、エディス目線、勿論、零の目線でも。

(さすがに雪風目線はなかったけど(笑))

だからからか、これまでは深井零という人物がいかに非人間的であるかというところが

クローズアップされていたように感じたけど

この巻では、深井零の人間的な部分が感じられるようになった。

ジャム戦を通して零が変わってきた、のかもしれないけれど。

今までは主人公は「雪風」と感じていたけど、

これは主人公はまぎれもなく零だ、と感じた作品。

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