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『もえない Incombustibles 』

森博嗣著

カドカワエンタテイメント

突然亡くなったクラスメイトの杉山が遺したのは、

生前受け取ったまま忘れていた手紙と

”僕”の名が刻まれた金属のプレートだった。

それほど仲が良かったわけでもないのに、

何故か気になる”僕”は杉山が何故亡くなったのか調べ始める。

そして、徐々に甦る”僕”の記憶の断片…。

この小説は杉山の、そして同じピアノ教室に通っていてやっぱり亡くなったという

女子高生の死の真相を解く話だと思っていたが、

これは”僕”こと淵田の話だった。

中高一貫高の男子校に通う少年たちの日常をつづる青春小説っぽさもありながら

やはりミステリーなんだろな。

とはいえ、この作者らしい中途半端な謎解き。

淵田の過去の体験ははっきりしたけれど、

杉山が死んだ理由や後半で起こる殺人のはっきりとした理由は示されていない。

作品のイメージは『探偵伯爵と僕』に似てると思った。

後味はあんまり良くないかも。ちょっともやもや。

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