『中原の虹』
浅田次郎著
講談社文庫 全4巻
読み終わった。
波乱万丈、歴史壮大、出てくる人物は魅力的で
4巻だけど、長いとは全然感じなかった。
ただ、ところどころ明を倒し清が起こった頃の話が入ってくるから
少し考えるけど…。え、これはいつの話?と。
『中原の虹』の主役は白虎張だと思っていた。
もちろん、主役の1人には違いないが、最後まで読んで
もしかして主役は袁世凱だったかもしれないと思った。
袁の人となり、人生、生き方が一番書かれてあった気がするから。
4巻の途中までは、権力と野心と野望の塊の俗物としか見られなかったが
徐世昌、西太后、その語りを読んで、ああ、この人も忠義の人だったんだと知った。
それでも、やっぱり、白虎張。魅力的すぎた。
この人が最後に死んでしまって終ると思い込んでいたので
本当に最後まで読むのが怖かった。
でも結局、その心配は杞憂に終わり、
このシリーズでは東北軍が山海関を越えるところで終ったから良かった。
だから余韻も良いし、もう一回読もうかなという気になれた。
確かに、馬賊で、無慈悲な(と思える)殺し合いも多いのだが
そのカリスマ性に春雷ではないが”惚れ”てしまうのだ。
もちろん、これは小説で作者の浅田氏の主観が入った”物語”であることは分かっているけれど、
歴史上に実在した舞台、人物だけについつい思いをはせてしまう。
ああ、こうなると、悩んでしまう…。
続編マンチュリアン・リポートを読むべきか否か…
満鉄爆破事件後の話らしいから…。
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