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『陰陽師~醍醐ノ巻』

夢枕獏著

文藝春秋

お気に入りのシリーズの新刊。

読む本が溜まっていたので、だいぶ遅くなってしまった。

今回のシリーズもこれまで同様

安倍晴明と源博雅が活躍する平安王朝物語。

語り口が良い。

自然描写が良い。

博雅と晴明が良い!

物語も不可思議なものばかりだけど

こんな風雅な時代ならこんなこともあったのかもしれない

と思えるような不思議な本である。

この「醍醐ノ巻」には9本の短編が入っているけど、

どれも趣きある面白い物語。

なかでも気に入ったのは「笛吹き童子」と「きがかり道人」。

博雅の笛の音や蝉丸法師の琵琶の音が染み渡るように、響いてくるような物語。

「百足小僧」はちょっと気持悪かったけど…。

「陰陽師」のシリーズは読んでいるとゆったりとした時間が流れているような

そんな気分に浸れる。

読みやすいのであっという間に読み終わってしまうが

それがとても残念で、名残惜しく感じてしまうほど。

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