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『剣客商売番外編 黒白』

池波正太郎著

新潮文庫

本編を読んだこともないのに、いきなり番外編である。

しかも初・池波作品。

何故、この作品を?

何故なら家にあったから…(最近そればっかり…)。

『剣客商売』シリーズの主役・秋山小兵衛の若き日の話でスピンオフといった感じか。

上下巻。

番外編というだけあって、上巻の主人公は若き剣客・波切八郎。

秋山小兵衛との真剣勝負を控えた剣の道一直線の男。

しかし、運命は思っても見ない方向へと動きだす…。

この人と決めた剣の達人との真剣での勝負にすべてをかけるはずだった八郎…。

しかし、秋山小兵衛の待つ勝負の場に現れることはなかった。

上巻ではおもに八郎中心に描かれるが、下巻になると秋山小兵衛が中心となってくる。

ふたりの剣の達人が、それぞれ対照的ともいえる生き方を送りながら

やがて訪れる運命的な、思いもよらない再会…。

どうなるか先が読めぬ展開と、小兵衛をはじめとした登場人物たちの魅力で

つい先を読みたくなってしまう。

下巻の後半は小兵衛の本編に至るまでの人生も描かれていて

なるほど、こういう人物が本編での主役なのね、と教えてくれる。

切り合いシーンが多くて、血なまぐささもあるけど、読み終わって後味は悪くない。

『剣客商売』シリーズが人気があるのも納得と感じた。

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