『オーデュボンの祈り』
伊坂 幸太郎著
新潮文庫
コンビニ強盗をして、最悪な知り合い警察官につかまってしまった元SEの伊藤。
載せられたパトカーが事故を起こし、その隙に夢中で逃げ出した伊藤だったが、
目が覚めた時、彼はまったく知らない小さな「島」に居た…。
「荻島」というその島は、100年以上島の外と交流を絶っており、
島独自の”ルール”で人々が生活していた。
未来が分かるという喋る案山子「優午」や、なんだか奇妙な人々との出会い、
そして次々起こる”出来事”…。
いかにも伊坂ワールドなストーリー。
ファンタジーっぽいけど、バイオレンスもあり、ありえない世界の話なのに、
伊藤と一緒にどんどん”荻島”に、物語に引き込まれていく。
島での出来事、島の外での出来事、そんなバラバラのパズルのピースが、
やがて自然と1つの形になっていく終盤は、
ああ、そういうことだったのか…と心地よい。
途中、読んでいて怖くなるようなバイオレンスな部分もでてくるが、
ラストがとても綺麗な終わり方だったので、すっきりとした印象が残った。
さすが。
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