『竹取物語 全訳注』
上坂 信男 著
講談社学術文庫
古典「竹取物語」の原文&現代訳&注釈付の文庫。
裏表紙によると「~『竹取物語』の現存古写本の一つ、吉田博士蔵本に初めて全訳注を施し」たものとのこと。
ジブリ作品の「かぐや姫の物語」の宣伝がばんばん流れてて、
ふとオリジナルが気になって、そういえば高校生の頃、古文の勉強に、と思って本買ったっけ…
と思いだし、本棚から探し出し、読み直してみた。
原文がきりのいい段落で書かれた後、現代訳があって、その後注釈があったりなかったりという体裁。
原文はなかなか読み難い。物語は有名だからストーリーは分かるけれども。
たぶん、原文を忠実に訳したのだろうと思われる現代訳も、
普通に読んでいるとなんとなく表現がおかしい感じもする。
意訳されていない、そのままっていう感じ。
注釈には、この部分は研究者によって見解が違う、とか、ここはおそらく写本が間違っているとみなして、こう訳した、とか
翁は俗人であるとか、かくや姫(かぐや姫)は超俗した存在であるがゆえ…~
等々古典解説があって、改めて読んでみて面白いなってちょっと思った。
古文の授業みたい。
んで、知りたかったのは、かぐや姫がなぜ地上に墜とされたのか、ってことだったのだけど
その理由ははっきりと描かれていなかった…。そうだっけ?
それと、意外に感じたのは、かぐや姫は帝と結構いい感じだったということ。
解説によると、それはお互いが俗を超えた存在であるということで、
最初は俗っぽくかぐや姫を手に入れようとした帝だったけど、
かぐや姫の超俗した存在だということを認めたことで得られた関係らしい。
むかし一度は読んでるはずなのに、すっかり忘れていた。
改めて読んでみると、気づくこともあるものだ。
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