『ナイチンゲールの沈黙』上・下
ちょっと前に読んだものですが…。
海堂 尊 著
宝島社
『チームバチスタの栄光』のあのコンビが帰ってきた!
…と言っても、私はTVドラマでしか知らないのたけど(しかも最後の方の何話かを見ただけ)。
白鳥・田口コンビのシリーズの第2作目になるらしい。
(がしかし、上巻に白鳥サンは出てこない!)
この後の作品は映像化されているのに、この2作目はなんで映像化されてないのかな?って思たけど
読み終わってなんとなくわかった。確かに映像化しづらいかも。
医療ノベルで「ナイチンゲール」とくれば、看護師さんのことかと思ったけど
どちらか言えば、このタイトルの意味は鳥のことだった。
いや、どちらの意味でもあるといった方がいいのかな。
クリスマスの直前、小児科の看護師・小夜の担当する少年・瑞人の父親が殺されるという事件が発生。
瑞人は網膜芽腫という難病に侵されており、眼球摘出の手術を受ける必要があった。
瑞人の父親は、保護者としての責任を放棄しているような状態で、病院に来ることもなく、
手術の同意書にサインをするようにと小夜が説得をしていたのだが…。
殺人事件の捜査のため、病院に刑事と、なぜか厚生労働省の役人・白鳥がやってくる。
そして、ちょうど重篤な病気を持つ子供たちのケアを任されていた田口医師のところで聴取が行われることに…。
上巻では、ミステリーな感じがあまりしない。
病院を舞台にした小説、っていう感じ。
物語の軸は3つ。
・網膜芽腫という病気に侵された子供たちと医師・看護師の話
・肝硬変で救急搬送されてきた奇跡の歌声を持つ歌手とそのマネージャー、そしてまた類まれなる歌の才能を持つ看護師・小夜の話
・牧村瑞人とその父親、及び殺人事件の話。
で、下巻は解決編という感じ。3つの軸が絡まり入り乱れながら、収まっていくというか。
殺人事件に限ってしまえば、それほどな難事件とは言えないと思う。
それよりも、冴子や小夜の歌声の秘密の方がミステリアス。
医療系ミステリーと言いながら、特に私みたいな医学の素人には現実感に乏しく感じてしまうというか、超能力的というか、そんな印象の物語だった。
それにしても、小説の中の白鳥さんって、娘に甘い小太りの中年だったのか…。
TVのイメージがあったからちょっとショック。
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