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『天皇の代理人(エージェント)』

今『天皇の料理番』というドラマがやっているけれど

タイトルが似ているというだけで、まったく別物の小説。

読みやすくて面白かったと思う。


赤城 毅 著

角川春樹事務所

 駆け出しの作家である「僕」が、行きつけのバーでとある老紳士と知り合う。

お互いある程度打ち解けてきた頃、老紳士が語った若き日の冒険の物語。

津村と名乗るその老紳士は、激動の昭和の時代を外交官として過ごしてきたという。

彼が語る物語は、歴史上の有名な事件の裏の裏…。

そこで暗躍する謎の男・砂谷周一郎と共に、若き日の津村氏が関わった外交機密、トップシークレットの物語。

砂谷は「特命全権大使」というとてつもない権限を持ち、津村の前に現れた。

ある時は大陸の秘密結社からの刺客に対し、またある時はドイツのスパイに対し、

周到な調査と準備をした上で見事な手際で仕事をなしとげる砂谷とはいったい何者なのか?

語られるハードボイルドな物語も面白かったけど、砂谷という人物についての興味が大きかった。(まあタイトルになっちゃってるけど…)

戦前、戦中、戦後、外交官という人たちが日本の外でどんなことをしていたのか、

時の政府や軍部はどんな感じだったか、そんなことが少しだけ覗ける。

昭和史はそれほど得意ではないけれど、出てくる登場人物や出来事が、有名なものばかりなので、へぇそうだったのか、と興味深かった。

映像化したら面白そうだな~と思ったけど、

時間の単位が長いからその辺が難しいかもしれない。場所も世界各地だし…。

舞台も時代も全然違うけど、この砂谷・津村コンビ、イメージ的には「バチスタ・シリーズ」の白鳥・田口コンビっぽいな、と思った。

Ssaya

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