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『鳥玄坊 時間の裏側』

明石 散人 著

講談社ノベルズ

表紙がちょっと”自己啓発本”的なデザインでどうしようかと思ったが、

裏表紙のあらすじを見た限りは、オカルトミステリーぽい感じのようだったので読んでみることにした。

江の島の海岸で、巨大なリュウグウノツカイが打ち上げられた夜、その場に居合わせた鈴木と恋人の五十鈴は、

そのリュウグウノツカイをどこかへ運ぼうとする謎の美女と遭遇する。

海洋研究所の関係者だというその美女と連れの男たちに興味を持った鈴木と五十鈴。

彼らとリュウグウノツカイについて独自に調査をしていくと”鳥玄坊”という言葉と、

そして現在の常識では図ることのできないような事柄が、起こっていた、あるいは起こりうることを感じ取る。

やがて五十鈴に近づく”鳥玄坊”の影…。

SFサスペンス的なもの想像していたが、政治結社とか公安とか出てきて、

では、そっち系のサスペンスもの?と思いきや、

今度は、浦島伝説や古事記、日本書紀、信貴山縁起絵巻が出てきたりして、

あれ、美術系ミステリー?と思ったのもつかの間、さらにはアメリカ、中国、朝鮮半島による日本壊滅作戦なる話が出てきて、

実は軍事モノ?…とまあ、とにかく話が多岐にわたってて大変だった。

新興宗教の解説書的な匂いがなくもないような、ある種宗教的でもあり、哲学的でもあり。

信貴山縁起の飛倉の段に関しては、私も似たような印象を受けたな、というのを思い出した。

ラストはなんだかあっけない感じもしたが、

そうなるか!?という意外な結末、という印象でもあった。

時間、空間、宇宙を超越した話。

はたして、この本の主人公は誰だったのだろう…。

Chougenbou

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コメント

おはようございます!
中々B級シチュエーションが詰まった作品みたいですな~。
B級映画は色々な要素を詰め込み過ぎて最後は予算の問題か収集つかず酷いオチで終わるのが多いですが(笑)、こちらは本なのでちゃんとしてそうですね。

>スティッチ☆さま

こんにちは
B級映画の収集つかない凄いオチは、予算の問題なんですね~(笑)。
この小説のラスト(オチ?)は、おそらく”収集つかないからこンな感じでまとめちゃえっ”…ではなく練られた末の結末だとは思いましたが、
なにしろ時空を超えちゃってるので、”それでいいんかい”とは思いました

コメントありがとうございました~

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