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『遠野物語 remix』

京極 夏彦×柳田 國男 著

角川学芸出版

あの有名な柳田國男の明著作「遠野物語」を京極夏彦が読み下したもの。

もちろん「遠野物語」という作品は知ってはいたが、読んだことはなくて一度読んでみたいとは思っていた。

原典を知らないので、この京極版がどのくらい改修されているのか分からないが、

出来るだけ原典に沿ったものであり、

読み難いと思われる部分を意訳したり、

現代文に読みなれた私たちにとって読みやすくしただけのもの、とのこと。

順番も、理解しやすいように並び替えてはいるが、

原典の順番がそのまま記されているので、

実際の順番がどうなっていたのか分かるようになっている。

「遠野物語」とは、昔話や伝説を集めた不可思議な物語集、

怖い方のおとぎ話というイメージを勝手に、抱くともなく抱いていたが

文学的というよりも、もっと博物学的、民俗学的なものだった。

遠野という地域でずっと昔から語り継がれてきた伝承というか、

噂話(に近いかもしれない)を、遠野出身の人物が語り、

それを柳田が書きとめたもの。

ナルホド、それ以上でもそれ以下でもない。納得。

説話や説法でもなければ、怪談でもない。

その土地の習俗や習慣が色濃く表れているようなものもあれば、

違う土地の話として聞いたような似た話もあったりする。

1つ1つの話は短いので、とても読みやすい。

ここで語られる遠野という地域は、

今の遠野市とはちょっと違ってもっと広い地域のようだけど(明治の話だから)、

読んでいると確かに遠野に行ってみたくなる。

ところで、この中に出てくる「オシラサマ」、どこかで聞いたような気がする…と思ったが、

思い出した。棟方志功だ!

Fall

↑なんとなくイメージ画。でも遠野ではありませんのであしからず…。ウチの近所の公園デス。

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