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『ジヴェルニーの食卓』

原田 マハ 著

集英社

「うつくしい墓」「エトワール」「タンギー爺さん」「ジヴェルニーの食卓」以上4編の短編が収録されている。

それぞれマティス、ドガ、セザンヌ、モネといった芸術家を描いた物語である。

彼ら自身というよりは、彼ら自身の周りにいて、彼らを支えてきた人々による偉大なアーティストについての回想録のような…。

美術検定を受けようかな、と思ってる人や、名前くらいは知っているけど、芸術や美術の世界ってちょっととっつきにくい…と思っている人には、とても読みやすくて興味深い物語だと思う。

どれもとても”きれい”な話だな、と思った。

特に表題にもなっている「ジヴェルニーの食卓」は、なんというか、モネの創作スタイルや家族、愛した庭や家、そんなことがモネの助手を生涯務めた娘ブランシュの視点で描かれていて、それがとても温かく、美しかった。

モネが愛したジルヴェニーの家や庭は今では観光地となっていて、

行ったことはないけれど、テレビなどで見たことはあったので、想像しやすく、入り込んで読み耽ってしまった。

ヴァンスのロザリオ礼拝堂をはじめとしたマティス作品、

ドガの踊り子の像、

セザンヌの代表作、

ゴッホの「タンギー爺さん」、

モネの「睡蓮」。

この小説をより楽しむためには、それぞれの芸術家の作品を見てから読むといいかもしれない。

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