『オルファクトグラム』
井上 夢人 著
講談社ノベルズ
~結婚した姉の家で殺人鬼に遭遇したミノルは瀕死の重症を負う。
1ヶ月後、意識を取り戻したミノルは驚異的な「嗅覚」を手にいれていた。
ミノルはその能力を使って行方不明になったバンドメンバーの捜索、さらには姉を殺した連続殺人鬼を追う。~
ミステリーというより、どこかSFちっくなのは、ミノルの見えている「匂い」の世界がファンタジックだからか?
推理小説とは違う気がした。
推理するわけではなく、ミノルの鼻の能力で事件を解決していこうとする話だからかな。
半分くらいの記述は「嗅覚」に関する医療的(科学的?)内容だったりして興味深いけど、難しい。
ここに描かれている匂いの世界って表現しにくいと思う。
それをここまで表現した作者の表現力が凄いな、と思った。
ものすごい分厚い新書版ノベルで、その厚さに挑戦したくなって選んだ本だったけど、全然その厚さや文字量を感じなかった。
読んでいくほど先が気になるというか。
なるほど、「このミス」に選ばれるだけある!
ただ読みながら時々この異常な殺人鬼の動機について気になったけど。
大切な気管の割にはあやふやで、研究も遅れていた「嗅覚」という分野を取り上げたいがためにこういう殺人事件を書いたのかな、なんて思ったりして…。
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犬に人間ほどの知識(?)があったらやってそうな話だね。
投稿: ぼんのえる | 2016年7月26日 (火) 16時24分
>ぼんのえるさま
こんばんは!
人間の頭脳を持つ犬がいたら、それは犯罪捜査に関わらず、色々と活躍してくれるでしょうねえ
コメントありがとうございました~
投稿: イヌイカ | 2016年7月26日 (火) 22時36分