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『盗賊ロイス&ハドリアン 王都の二人組』

原題:THE CROWN CONSPIRACY

マイケル・J・サリヴァン著

矢口 悟 訳

早川文庫

 どの”ギルド”(組合、集団)にも属さず、「盗み」を生業とするロイスとハドリアンの活躍を描いたファンタジー作品。

架空の世界が舞台となっており、エルフやドワーフ、魔術師なんかも出てくる。その世界の設定、宗教観、そこに住む人々の考え方等々、ファンタジーって創作するの大変…ってなんだか今さらながら感じてしまった。

これまでファンタジーもの読んでこんな風に感じたことはなかったのだが。

この作品の設定がそれだけ細かくて複雑だってこと?

その基盤を理解してこそのストーリーという面が強く感じられる作品だったってこと?

いや、もしかしたら読者(私)の理解力のなさが原因かも…。

(訳者あとがきによると、そういう難しい世界設定がなくとも楽しめる作品が少なく、著者は自分の娘さんに、もっと分かりやすいファンタジーを読ませたい、ということから書いた物語だということらしいのだが。)

※※※

 とある貴族からの依頼で、城の礼拝堂に隠してあるという剣を1本盗むだけ、という簡単で高額な報酬につられたロイスとハドリアンは、忍び込んだ礼拝堂で王の死体と直面。

王殺しの反逆者として捕えられてしまう。

冤罪を晴らすためには、聞いたこともない牢獄に約千年も幽閉されているという魔術師に会いに行け、と教えられた2人は、次期王となる若き王子アルリックと、道中であった世間知らずな修道士と共に、その牢獄へと向かうのだが…。

 表紙イラストがライトノベル風ではあったけど、好きな絵柄の印象だったので読んでみた。

あら、珍しく中にも挿絵が。

う~ん、この挿絵がちょっとキャラたちの印象よりだいぶ線が細くて、(私が思った)イメージと違うかも、って思ってしまった。

盗賊二人組が主役ではあるのだけれど、父王を殺され、突然新王という立場に立たされた若き王アルリックの成長物語っぽく感じた。

ラストには、魔術師エスラハッドンが再登場すると思ったんだけどなー。

一件落着といえば一件落着、なのだが、続編あるだろうな、という終わり方でもあった。

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