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『冷血 IN COLD BLOOD』

トルーマン・カポーティー 著

佐々田 雅子 訳

読み終わって一番感じたことは「はぁ、やっと読み終わったぁ…」だった。

この作品が映画化したのは確かずいぶん前だったっけ。

その時ちょっと興味があって、観たいな、と思ってはいたのだけど、結局見なかった。

それからずっと気にはなっていた。

DVDにきっとなっているし、レンタルもあるだろうけど、なんか見てなかった。

原作(翻訳だけど)読んだ今は、見なくて良かった、とちょっと思っているところがある。

小説だけれども、実際にあった事件を元に書かれた作品。カポーティー曰く”ノンフィクション・ノベル”とか。

私はミステリーやサスペンスものが割と好きでそういう小説を読むことが多いが、これはノンフィクションがもとになっているという時点で、これまで読んできたそういった”小説”とは違う。

まず、読者には犯人が分かっている。トリックやそういった推理するようなことは何もない。ある殺人事件を淡々と描いた作品なのである。

殺されたクラッター一家のこと、残虐な事件を起こしたディックとペリーのこと、事件を起こすまでの過程、起こってからのこと、二人が逮捕されるまでのこと、そして裁判が行われ、極刑に処せられるまでのこと…。

小説ならば、きっと、彼等が起こした犯罪の理由や動機、どうしてそんなことになってしまったのかという理由が読者の理解の範囲で描かれるだろう。

範囲に収まらなければ、「理解できない」という範囲に収められる。

ところが、これは実際に起こった事件であり、犯人は実在したわけで、

いくら恵まれない幼少時代を過ごしたからといって、

いくらその後不幸な出来事が続いたとして、

無抵抗な一家4人を縛りあげ、一人づつ射殺していくなんてことができることが理解できなかった。(理解できてもそれはそれで怖いことだが)

特に犯人のうちのひとり、ディックという男については、恐ろしさすら感じた。

読んでも読んでも先に進まないように感じて、本の厚さ以上に読み終わるまでに時間がかかった作品だった。

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コメント

イヌイカさま
あなた様のプロフィールの最後の1行によく救われているのです。

「どーんとこい!」

>気分屋NETさま

そんな細かいところにまで目を通していただいて恐縮ですぅ
そして、イヌイカの一文が少しでも気分屋NETさまのお気持ちに沿えたとしたら嬉しいです

私の方こそ、コメント頂いてとっても救われました。ありがとうございました

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