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『赤目姫の潮解』

森 博嗣 著

講談社

 表紙のデザインやタイトルの印象から、『女王の百年密室』『迷宮百年の睡魔』に続くシリーズ続編かと思ったのだけど…、私の読んだ限りでは違うように感じた。

ただ、著者の意図は不明。

そのシリーズなのかもしれないし、違うのかもしれないし。

あとがきも解説も、読者に対するメッセージはここには何もないので。

タイトルも難しいが、内容を説明するのも難しい。

(私の持っている辞書によると「潮解」とは、固体が空気中の湿気を吸って溶けることだそうだ。その意味が分かっても、本書の内容はう~ん納得?う~ん???という感じ。)

赤目姫という赤い目を持つ、人形のように美しい女性は出てくる。

緑の目を持つ王子や紫の目の紳士、オレンジの目や黄緑色の目を持つ人も出てくる。

こう書くとファンタジーっぽいし、現実的ではない物語を「ファンタジー」と定義するならば、間違いなくファンタジーだけど、一般的に「ファンタジー」と聞いて想像するようないわゆる「おとぎ話」とも違うような…。

あらすじというものの存在を否定するような展開なのである。

場面、視点、立場が回転舞台のようにカチカチと換わり、ついていくのが難しい。

理解しようとすることを早々にあきらめ、ただ文字の羅列を追い、ひたすらあるがままを想像することに努めた。

前述の『百年』シリーズのひとつなのかも?と思わせるのは、「ロイディ」という固有名詞がたった一度だが出てくること(ただし、犬の名前として)、

大きな砂曼荼羅、

砂漠だった場所が水に満たされる場面、

そして身体と頭脳の乖離を思わせるような記述…。

私の印象としては、”見た夢をそのまま書いたような”小説だった。

(同じ著者の別の作品のカバーにある作品紹介をみると、やっぱりコレは「100年シリーズ」のひとつらしいデス。むむむ。)

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コメント

もともこもないことを書きます。人魚姫は気化したんですね!

>のえるさま

人魚姫って童話の人魚姫だよね。
確か、最後は海の泡になって…という哀しい物語だったっけ。
あぁ、確かに。気化したんだねえ。
泡というと、ついシャボンを想像しちゃってた

コメントありがとう~。

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