『ジグβは神ですか』
森 博嗣 著
講談社文庫
Gシリーズは終わったものだと、勝手に思い込んでいてすっかり油断していた。
なんと2015年10月にシリーズ新作が、さらに2016年11月にさらに次の作品が出ていた。
我ながら、情報に疎くなったものだと。
2015年10月かぁ…まあイロイロ忙しかった時期だったかな。
それでも新聞の新刊の広告スペースや、電車内の吊り広告とか見ていたはずなんだけどな。
気が付かなかったのか、無意識に見ないようにしていたのか。
さて、Gシリーズではおなじみの面々もそれぞれ進級就職などしたようで、恵美は隣県の公務員になっていた!
とはいえ今回のストーリーと恵美の就職はあまり関係がない。
就職して一年余り、恵美は久しぶりに大学時代の親友でTV局に就職した雨宮純と郊外の高原へ避暑へ行く予定を立てる。
格安のコテージがあると大学助教となっている先輩・山吹から情報をもらったのだ。
そのコテージがあるのは美之里という宗教団体の敷地内にある一般開放されたエリア。
研究の一環で山吹は調査に来たことがあったのだった。
奥には、美之里に所属する芸術家たちが暮らすエリアがあり、そこは一般開放されている場所とは柵で隔てられていた。
恵美たちが到着する前、水野涼子というノンフィクション作家がその芸術家たちが暮らすエリアを取材するために美之里を訪れていた。
芸術家たちに取材している途中、水野は美大生が使っているというコテージで、棺に納められラッピングされた美しい女性の遺体を発見する…。
恵美、純、山吹、海月、萌絵、睦子、さらには紅子まで登場。
そして四季博士の影がこれまで以上にはっきりと見え隠れしている感じがした。
相変わらず、ミステリーとはいえ事件について犯行の動機や犯行の全貌というものについての丁寧な解説があるわけではない。
登場人物たちの会話などから想像する他ない。
つまりはこの物語のメインは事件の”謎解き”にあるのではないということなのだろう。
Gシリーズはずっとこんな感じだったし。謎と言えばすべてが謎。
「神」や「宗教」を持ち出されてしまっては、何でもアリじゃん、という気になってしまうし。
だから、これまで結構消化不良な感じがあったのだが、今回は最後の方に睦子と紅子のサシのシーンが出てきて、なんだかそれですっごい満足感を得てしまった(笑)。
萌絵がこの二人について「ものすごく意気投合するか、あるいはものすごい喧嘩になるかのどちらかだと思う」みたいに言っているが、私もそう思った。
さて、結果は…。
「何故、私を起こしたの?」<『ジグβは神ですか』256ページより。>
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