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『キウイγは時計仕掛け』

森 博嗣 著

講談社文庫

学会を翌日に控えた夜、会場となる大学内で学長が射殺される。

その数時間前、学会本部宛てにプルトップの刺さったキウイが入った箱が、宅配便で届けられていた。

箱の中にはその手榴弾に見えなくもないキウイひとつのみ。

犯行予告のような手紙もなし。ただよく見るとキウイには「γ」と見えなくもない文字(印?)が書かれていた…。

学会に参加するため、犀川先生、萌絵、国枝先生、恵美、山吹、雨宮、海月といった”いつものメンバー”がその大学に集まるが、

特に事件に関わるようなこともなく。(ラストにちょっと恵美と雨宮が巻き込まれる場面もあるけど)

彼らが学生時代だったころのような積極的な姿勢もなく、

特に萌絵が落ち着いちゃったなあ…という印象(苦笑)。

一応「γ」の文字は出てくるものの、一連のギリシャ文字事件に関連があるのかないのか、宅配便にして送ってきた意図とはなんなのか、さらには冒頭の射殺事件のはっきりした解明もない感じ。

つまりは、Gシリーズを通して最終的になにかしらはっきりさせてくれるだろう、

きっとこの作品もそのための伏線のひとつに違いない、と思って読む、そんな感じ。

あの天才が何をしているのか、何をしようとしているのか、それともそう考えていること自体まったく見当違いだったりするのか。

この作品で気になったのは、温泉に入っていたキウイと、忘れた頃に登場する島田女史のこと。

ワタクシ個人的には、久しぶりに犀川先生が犀川先生らしい感じを醸し出してくれただけでも読む価値があったかな、なんていうのは犀川ファンの心理かな。

ヘビースモーカーの先生がまさかタバコをやめちゃうなんて…。

そこに一番びっくりしたかも。

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