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『落ちこぼれネクロマンサーと黒魔術の館』

原題:WARD AGAINST DARKNESS

メラニー・カート 著

圷 香織 訳

創元推理文庫

ネクロマンサーってなんだっけ?

…という単純な疑問だけで読んでみた。

医師を目指すも、その道を外れてしまったネクロマンサーの血を引く生真面目なワードと、彼の呪文によって蘇った美貌の殺し屋・シーリアの冒険物語で、シリーズ2作目とのこと。

森の中を賞金稼ぎから逃げる2人の姿から始まる。

いきなりで何がなんだか分からない。

読んでいくうちに分かってきたのが、死んだシーリアを蘇らせたのがワードであり、なんだかんだあって殺人の濡れ衣を着せられている、そんな2人の首に賞金がかけられていて、その結果、賞金稼ぎに追われるはめになっている、ということらしい。

なかなか腕の立つシーリアは気が強く、

ワードは、魔術の才能はその家系の血筋のくせに弱く、内省的で、生真面目。

性格は正反対な2人だが、どうも惹かれあっているらしい。

お互いの気持ちには気が付いてないけど。

ネクロマンサーとか、ヴェスペリティとか聞いたことのない単語が、いかにも知っていて当然のように書かれていて、それらについての説明的な文章はなく、登場人物の会話や思考から理解していくほかなく、その辺りが大変だった。

魔法や魔術が出てくるファンタジーなのだが、結構血みどろで陰惨。

ゾンビ映画っぽい印象すらあった。

ワードとシーリアの関係は、うまく行きそうで行かない感じにもやもや。

いい奴なんだけど、なんだか頼りない、けど変なところで意固地なワードの態度に、シーリアでなくてもイライラするかも。

内容、相関関係、舞台設定など、(いきなり2作目だからということもあるかもしれないが)説明が一切ないので不明なところが多く、想像するしかなくて、このファンタジーの世界観がちゃんと把握できたかは不安だが、

とりあえず読んでいくうちに先が気になるようになり、クライマックスでは一応物語に入り込めたかな?

とにかく、もう少し説明が欲しかったな、という感じ(1作目から読めということか)。

ちなみに「ネクロマンサー」とは、死者を蘇らせる術を使う呪術師ってことらしい。

以上。

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