小劇場の舞台を想像した
タイトルからは想像できないストーリーだった。
読み終わったあと、タイトルになるほどねー、ってなることもあるけれど、
この小説に関してはそういう感じもなかった。
本文中にタイトルの光景は確かに出てくるけれども。
ずーっと後になって、仮に読んだことは覚えていても内容を忘れてしまったとして
このタイトルを見てはっきり思出せるかと言われると無理かもしれない。
ミステリー…なんだろうか?
確かに人が死んでいるのは重要なファクターではあるのだが…。
登場人物も場面転換も少ない。
基本はヒロとアキの二人。
翌日には引っ越すことが決まっているガランとしたアパートの一室。
ふたりは翌日には別の場所へとばらばらになる。
同棲していたけど、別れるカップルの話か、と最初は思ったけど
読み進むと違うことが分かる。
何で一緒に住んでいたのか、どういう経緯の男女なのか、そして
どうして翌日ばらばらになることになったのか…。
気になることが多すぎて、ついつい読みふけってしまうそんな小説だった。
結果、そういうことなんだー!…とすっきりするか?と問われるとうーんとなってしまう。
はっきりそうだとは明言されないから。
あくまでアキの中での結論という形で終わる。
果たしてヒロとアキが遭遇した山岳ガイドの転落死の真実とは?
恩田陸『木洩れ日に泳ぐ魚』文春文庫
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