読書タイムは通勤時
森作品で時代物か…
と思うとなんだか興味を持てず今まであえて読まずにいたのだが。
考え直して読んでみた。
タイトル見ただけでは、およそ時代物とは思えないのだけど。
主人公は剣豪スズカ・カシュウに育てられたゼン。
これまでカシュウ以外の人間とほとんど触れ合ったことがなかったゼンが
カシュウの死によって山を下りることから物語は始まる。
ほぼゼンのひとり語りで物語は進んでいくような感じ。
どうやらかなり高貴な血が流れているようなゼンだが、生い立ちなどは一切教えてもらえなかったらしく
まだ謎が多い人物である。ゼンにしてもカシュウにしても。
森作品につきものの”引用”は、新渡戸稲造の「武士道」で、
各章の冒頭のその引用を読むと、なるほどそんな雰囲気だな、って分からずとも感じた。
確かに出てくるのは侍で果し合いがあったりするから時代モノなんだろうとは思うけど、
固有名詞はほぼカタカナだし、時代背景もはっきりしないので
ファンタジーっぽくも感じた。
そして、剣の勝負のシーンの表現にはどこかスカイ・クロラシリーズと似たような印象を覚えた。
さて、続編、読むべきか…。
ゼンのその後が気にならなくもないのだけれど。
『ヴォイド・シェイパ』
森博嗣/著
中公文庫
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