なんとも…難解
森せんせいの短編集に、似たような作品があったような…。
読んでてそんな風に感じた。
いわゆる”理系ミステリー”とは違う、もうひとつの森ワールド的な作品。
主人公は”彼女”という形容で描かれ、
時代背景とか名前とか場所とかあいまい。
会話とか雰囲気で想像するだけ。
”彼女”の視点で描かれるので、現実なのか夢なのか”彼女”の精神世界のできごとなのか不明確。
年の離れた”主人”とお手伝いさんと暮らしているようだが、
出会いやいきさつ、経歴など一切なし。
”彼女”はもともと不安定なたちだったのだろうか…?
”彼女”が出遭う何人かの男性たちとの”別れ”によってどんどん不安定になっていったような…。
読んでいるこちらもなんだかくらくらしてきた(貧血のせいだけではないだろう)。
とても境界線があいまいな物語だなという印象。
誤解を恐れずに言うなら、詩集のような小説、かな。
いや、詩集ってあまり読んだことないけども…
『イデアの影』
森 博嗣/著 中公文庫
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