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水彩画のような印象のおはなしだった

タイムリープもののSFファンタジー。

だけど、時々実在する芸術家や大陸の名前が出てきて、まったくの架空の世界じゃないのかい、と混乱しなくもない。

基本的には架空の大陸の未来と過去のお話だと思う。

とにかく、舞台が20世紀だったり23世紀だったり、

行ったり来たりするので(しかも語り部はひとりではない)、人物相関が難解。

名前の違う似たような容姿の人物が、別人視点で描かれたりする。

ワタシたち読者は、この人物は前の章に出てきたあの人物か?と想像しながら読むことになる。

その時はその時代の語り部によって語られているので正解かどうかは分からない。

ラストの章でなんとなくファミリーツリーの解説じみた感じにはなるけれど

一度読んだだけでは、ちょっと…。

確かにエッシャーの絵のような、平面的な家系図では表しきれない、

立体的な家系図を描かなければならないような、とある一族の物語。

(人が入れ替わるとか時代を超えてなりすますとか、そんな本が最近続いたな。

ミステリー、オカルトもの、SF…ジャンルも作者もバラバラで、まったくの偶然なんだけど。)

 

『デカルコマニア』

長野 まゆみ/著  角川文庫

 

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