上書きされた本です
本を読んでいると、何冊読んでも”その1冊”の印象がずっと残っている1冊というのが出てくる。
この本を読むまで頭に残っていた本が伊坂幸太郎氏の『砂漠』だった。
(ちなみに『砂漠』の前はカズオ・イシグロ氏の『わたしを離さないで』)
何を読んでも『砂漠』の印象が強かったが、
昨日読み終わった『ベルリンは晴れているか』がそれにワタシの脳ミソに上書きされた模様。
「読書履歴」に感想も載せてみたけれど、
怖くて恐ろしくて目をそらしたくなるような描写(でも現実にあった非人道的な出来事なのだ)があるのに
読みだしたら読むことを止められない小説だった。
特に印象的だったのが、ヴァルターという少年が言う
”民なき土地に土地なき民を、ってもともと住んでる人たちを無視してるんだよな、それって俺たちがされてることと同じことをしようとしてる”
みたいなセリフ。(すみません、本が手元にないので全然原文と違うかもしれないけれど、ニュアンスはこんな感じかと…)
それ以外にも、いろいろと考えさせられた小説だったし、これからもしばらくはふとした瞬間に頭に蘇ってくる本だろう。
そう、”上書き”されるまでは。
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