1793
『1793』
Niklas Natt och Dag 著 ヘレンハルメ 美穂 訳
舞台は18世紀末の北欧スウェーデン。町はずれの汚物にまみれた湖から四肢のない遺体が発見される。警視総監から事件の捜査を依頼された法律家のヴェンゲは、戦争で右腕を失った”風紀取締官”カルデルとともにその謎を追う。
物語は4部に分かれており、時間が事件の前と後を行ったり来たり、また登場人物がそれぞれの章で変わるので、慣れない北欧の名前もあって把握するのがちょっと大変だった。なかなか暴力的なシーンも多く、途中読むのが辛くなり投げ出しそうになったけれど(なにしろ主役のヴェンゲも辛い立場で結核に侵されていて死にそうだし、カルデルはカルデルで手が出るのが早くてすぐケンカになるし)、最後まで読まないと気持ちが重いままになってしまうと思って読み進めた。
終盤あたりまでいくと、今度はページをめくる手が止まらなくなった。
猟奇殺人事件モノかと思ったのだけど、歴史小説といってもいいかもしれない。18世紀末の北欧ってこんな感じだったの!?と驚いた。