『針がとぶ』吉田 篤弘中公文庫 慕っていた伯母の遺品の中に一枚のレコード盤。ノスタルジックな音が流れる途中で針がとぶその一瞬に垣間見える様々な物語。7編の短編と追加の1編の計8話。それぞれが独立しているような関連しているような、共通しているのはどことなく不思議な印象のストーリーであるということ。おとぎ話のような、エッセイのような。夜、布団に入りながら眠る前のひとときに読むのにちょうどいいような本だなと思った。こういうのが好きだったんだな、と我ながら改めて知った。