風が強く吹いている

『風が強く吹いている』
著者:三浦しをん
新潮社文庫
寄せ集めメンバー10人きりで箱根駅伝を目指すという物語。
一度も箱根への出場経験のない、しかも陸上部はあっても長距離チームはもとより駅伝部もない大学の学生たちが予選会から箱根への出場を目指すというのだから、まあ現実にはありえない。あとがきにもあったが”ファンタジー”だろうと思う。
でもそれが小説”の”小説”たるゆえんというか、小説だからこそできることで、こういう”夢物語”も素敵じゃないかと思える爽やかさがあった。
長距離走がキライなワタシ的には、なぜ辛そうなのにこんなに過酷な長い距離を走るのだろう、と駅伝やらマラソンやらを見ていると思っていたのだが、この本を読むことで、走ることが純粋に好きな人というのは存在するんだと思い至った。