兇人邸の殺人
『兇人邸の殺人』
今村 昌弘
東京創元社
シリーズ三作目。班目機関の元研究員だった不木という人物の屋敷に、不木の研究成果を利用しようとする一味とともに潜入した比留子と葉村。兇人邸と呼ばれるその開かずの屋敷には超人的な身体能力を持つ隻腕の”巨人”が潜んでおり、一味のメンバーは惨殺、暗闇を逃げ惑う中で比留子はひとり離れた部屋に閉じ込められた状態に。他の侵入者たちにとっても屋敷は今は陸の孤島と化し、生き残る術を模索する中不木が殺されているのが見つかる。”巨人”ではない誰かが犯人と思われ、邸内に残ったメンバーは疑心暗鬼に陥る・・・。
いろんな条件によって今回も「密室」。比留子は動けず、いわゆる「安楽椅子探偵」のように鋭すぎる推理で謎を解く。やはり現実味は感じられないが、エンターテイメントとしてその手があったか的に楽しむシリーズなのかな、と思った。そもそも「班目機関」ありきだ。