魔眼の匣の殺人
『魔眼の匣の殺人』
今村 昌弘
創元推理文庫
『屍人荘の殺人』に続くシリーズ2作目。前作で前代未聞の事件に遭遇した剣崎比留子と葉村譲。その事件に関係があると思われる”班目機関”の研究施設だったという場所に向かう。途中バスで乗り合わせた、予知能力があるらしい女子高生・十色と後輩の茎沢ら、様々な理由で偶然一緒に「魔眼の匣」と呼ばれるその施設を訪れた一行。そこには村人から畏れられているサキミという老女がおり「この2日間で男女二人ずつが死ぬことになる」と予言するのだった・・・。
前作に続き、2作目もクローズドサークルミステリー。1作目よりはありがちな設定でのクローズドサークルではあるが、「予言」という超自然的な現象?が絡み、しかもそれがインチキとして暴露されるのではないあたりが私が思ういわゆる”推理小説”とはちょっと違う感覚だったなと。いろいろな伏線、犯人、比留子の推理力、観察力、ラストのどんでん返し、およそ現実的ではないけれど、そこはもう極端に劇場型というかエンタテイメントとして”面白かった”と思う。