Nanahachi

『78』
吉田 篤弘
小学館文庫
 ”むかし世界は78回転で回っていた”とあらすじにあっても全然意味が分からず、そういう設定のファンタジーかと思った。音楽特にレコードに詳しい人ならピンとくるのかもしれない。そんな古いレコードやそんなレコード専門のお店がストーリーの軸となるようなならないような…。大人のおとぎ話っぽい短編がいくつも入っている、と思いきやそれぞれのストーリーがそれぞれ関係しているようなしていないような。理論的に理屈付けられるような展開じゃないと無理!という人には向かないかもしれない。ワタシのように、理屈はよく分からないけれどそういう世界のそういうストーリーなんだね、と分からないまま飲み込んで自分なりの世界観で読めれば面白い、と思う。