オメガ城の惨劇

『オメガ城の惨劇』
森 博嗣
講談社ノベルス
 海に浮かぶ小島にそびえたつ「オメガ城」に招待されたのはその道の一流の専門家たちと科学雑誌の記者。目的も分からないまま”マガタ・シキ”の名に城に集まった3人がその夜死体となって発見され、1人は行方不明に。ネットワークは故意に切断されたようで、警察に連絡できないと分かったため生き残ったサイカワと記者のミヤチが真相を探り始めるが…。
 ”シリーズ外”作品となっているが、登場人物や舞台からS&MシリーズやVシリーズ、四季シリーズを知っていた方が分かりやすいと思う。副題が「SAIKAWA SOHEI’S LAST CASE」となっているから犀川先生の話か!と期待して読んだ。ところが途中からなにやら違和感が。で、やっぱりね、そうだよね、彼だと思った!ということでラスト納得。ミステリーとしては殺害動機的には森ミステリーっぽくないというか、ありがとというか、森作品にしては最後までちゃんと解説してくれている気がする。サイカワがミヤチに語る形で。