レキシントンの幽霊

『レキシントンの幽霊』
村上 春樹
文春文庫
 表題作を含め7つの短編が収録されている。この作家さんを好きだという方に必ずおススメを聞いているのだけれど、ある方に「トニー滝谷」をおススメ頂いたので、その作品が収録されているこの本を読んでみた次第。これまで読んだ村上作品の中においては比較的とっつきやすかった(ってそれほど多く読んではいないのだけれども)。ワタシ的には「どれも”文学作品”的だ・・・」という印象を強く感じた。どの短編においても説明や解説的な記述はなく易しい内容とは言えないが、考えようによっては読者の想像の自由を残してくれていると言えなくもないのかもしれない。感情移入はしにくいけれど。そしてワタシのこれまでの村上作品のイメージ同様、やはりこれでもデジタル画像ではなく、アナログ画像で絵が浮かんでいた。そして白黒ではなくカラー。今のテレビで見ようとすると画像が荒く、両端が切れてしまうサイズ。でもノスタルジックというほどではない、そんな印象。
収録作品:「レキシントンの幽霊」「緑色の獣」「沈黙」「氷男」「トニー滝谷」「七番目の男」「めくらやなぎと、眠る女」