砂漠

『砂漠』
著者:伊坂 幸太郎
実業之日本社文庫
入った大学で北村は、調子のよい鳥井、超能力が使える南、超美人だが無表情の東堂、どうも場を読むことが苦手な変なヤツ西嶋と出会う。
どちらかというと冷めた感のある北村と、彼らが過ごすつかの間の学生時代。麻雀、恋愛、そして西嶋がシンパシーを感じているらしい巷を騒がせている連続通り魔”プレジデントマン”(西嶋命名)。単なる青春モノ…とは一線を画す感じが伊坂作品だなあとも思うし、伊坂作品にしてはバイオレンスな場面がないこともないけど、そんなじゃなかったなあとも。
最初うざくてちょっとな…って思ってた西嶋が、読み終わる頃には”うざいけどなんか凄いヤツかも”って思えてくる。あとがきに、”伊坂作品で一番好きな作品もしくは好きな作品のひとつだと言われることが多い”とあったが、分かる気がする。ワタシもそうかも。