正義のミカタ

『正義のミカタ ~I'm a loser~』
著者:本多孝好
双葉社
読み始めた当初しばらくは、いじめられっ子の亮太クンの”大学デビュー”の話だと思った。高校時代では味わえなかった、フツーの学生生活、気の合った友だちがいて、尊敬できる先輩がいて、カワイイ同級生にドキドキしたり、一緒に遊びに行ったり。おおやけに出来ないような泣き寝入りしかねないような大学のごたごたを解決する『正義の味方研究部』に所属して、亮太もいじめられっ子から”正義の味方”の一員になってよかったね、…という話では終わらなかった。タイトルの「ミカタ」がカタカナ表記だったり、サブタイトル(?)に「I'm a loser」とついてる意味が最後まで読んで分かったような気がした。単なる勧善懲悪じゃないなっていろいろと考えさせられる終わり方だった。ツライ経験をたくさんしてきたからこそなんだろうけど、亮太はすごく強いな、って思う。