シャドウ

『シャドウ』
著者:道尾秀介
創元推理文庫
小学生の凰介は病気で母を亡くし、大学病院に勤める父親との二人きりの生活が始まる。ほどなくして凰介の幼なじみの亜紀の母親が自殺。彼女は凰介の母の親友だった…。
亜紀も、彼女の父親も、凰介の父親もなんだか様子がおかしく、そして生前の母とのある記憶、フラッシュバックするように脳裏に浮かぶ奇妙な映像、これらが伏線であることは分かる。文庫本の帯や推薦文の「どんでん返し」等のあおり文句についつい設定やら時間軸やらあらゆることを疑いながら読んでしまった。で、最後まで読んで、ああ、そうきましたか、やはりそれはこうでしたか、と。勘ぐりすぎたかもしれない。映画「シックスセンス」的なオチまで想像したんだけれど、そこまで「やられたー!」感はなかったかな。明るい兆しの感じるラストで良かったけれど。