それでもデミアンは一人なのか?
『それでもデミアンは一人なのか?』
森 博嗣
講談社タイガ
Wシリーズに続くWWシリーズの1作目。
読み始めて「おや?」っと思ったが、やはり以前に読んでいた作品だった。だけれども、再読というほど内容を覚えていなかったのでほぼ初読な気持ちで読めた。時々そういえば…と思った所があった程度。
AIとは、アンドロイドとは、ロボットとは…そして人間とは、肉体とは、脳とは、心とは…?何をもって「個」というのか、「個」であることの利点とは?…といろいろと、今まで自分の中で当然と思い込んでいた価値観みたいなものが絶対ではないかも、そういう視点もあるのかと考えさせてくれるシリーズである。Wシリーズもそうだったけど。100年シリーズや、他の森作品を読んでいるとあれが繋がっているのか!?とびっくりする。もしかすると読んでない森作品とも絡んでいるのかなあ。
この作品については、最後まで読むとこのタイトルの問わんとするところが分かった。哲学的なタイトルと思いきや案外シンプル、そのまんまだな、と。答えは難しいけれど。