神はいつ問われるのか?

『神はいつ問われるのか?』
森 博嗣
講談社タイガ
 WWシリーズ2作目。アリス・ワールドという仮想空間が突然シャットダウンする。人々にとってヴァーチャル空間での日常が当たり前となっている世界で、アリス・ワールドの閉鎖の影響は大きく、グアトは人工知能の専門家としてその原因や意図を探って欲しいと依頼される。パートナーのロジとともにアリス・ワールドに入り込んだグアトはそこで”クマさん”というクマのぬいぐるみを持ったアリスという少女に出会う。彼女は亡命のための手助けをしてほしいと言うのだが…。
どこまではヴァーチャルで、どこからがリアルなのか、理解しながら読んでいたつもりだったが、終盤グアトの心の内の語るところを読んでいたら、分からなくなってしまった。そういうところも著者の意図なのだろうとは思ったけれど。
森サンの描くヒロイン(?)は、どうもアナログな車の運転が好きなようだ。そして賢くて、ちょっと勝ち気で、それでいてどこか不器用で”かわいい”気がする。
ミステリーというほど謎解きがメインではなく、ハラハラする展開もあるが、サスペンスという感じでもなく。SF小説だと思うけれど、こういう未来に自分がいたとしたら、ワタシはどうなる?どうする?と考えてしまう(けど難しくて行き詰って放棄してしまう)シリーズだ。