幽霊を創出したのは誰か?
『幽霊を創出したのは誰か?』
森 博嗣
講談社タイガ
WWシリーズ4作目。グアトが暮らす家の近隣にある城跡で「幽霊が出る」という噂を知り、初めてその場所を訪れたグアトとロジ。
女性の悲鳴が聞こえたため急いでロジがその声の主と思われる女性の元へ向かうが姿は消えており、別ルートで向かったグアトは途中女性とはぐれたという男性と遭遇。しかしその男性も消え…。後日、その城跡近辺に別荘を持つ人物に話を聞きたいからとその別荘に招待されそこで奇妙な出来事と遭遇、帰途に就こうとした日、撃たれた別荘の主を発見する…。
タイトルは隠喩的なものだろうと思っていたけれど、意外にそのままなタイトルだなという印象。このシリーズの舞台となっている”未来”においても”幽霊”という存在が語られるのが奇妙に思えたけれど、グアトやロジはまっっったく信じていない。それらしきものを目撃したとしてもあっさりホログラムだろうね、と超現実的。怖いとかいう感情は持たないらしい。
ヴァーチャルがリアルと遜色ない世界において、そのふたつは表裏一体となり、ヴァーチャル側からするとリアル側のもが”幽霊”という存在に近いものになるのかもしれない、というイメージがなんとなく思い浮かんだ。